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小林 秀和; 小高 亮; 巌渕 弘樹
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原子力機構の東海再処理施設のサイトにあるガラス固化施設(TVF)では、使用済燃料の再処理から生じた高放射性廃液を液体供給式ジュール加熱セラミック溶融炉(LFCM)でガラス固化している。高放射性廃液に含まれる白金族元素はガラスにほとんど溶解しない懸濁微粒子となり、非常に低い抵抗率と高い密度を有しているため、炉底部に堆積して電気的な短絡経路を形成するため通電による溶融炉の運転を阻害する。TVF1号炉、現在運転している2号炉は、四角錘形状の底部と底部抜出しを有しているが、底部の稜線部に溜まった白金族元素粒子が抜き出されにくく、定期的に除去しなければならないという課題がある。この課題を解決すべく、白金族元素粒子が抜き出されるように底部が円錐形状の3号炉を開発しており、2023年から2024年にかけて2号炉と交換されることになっている。炉底構造の変更の効果は、熱流体解析コードにより確認した。加えて、ドレインノズル上部のストレーナの構造の最適化を模擬流体と実寸大アクリル製モデルを用いた可視化試験によって行った。本会議においては、前述した3号溶融炉開発に関する活動について過去の溶融炉構造とともに紹介する。
菖蒲 康夫; 巌渕 弘樹; 大森 栄一; 三浦 信之
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東海再処理施設(TRP)では設備・建屋の廃止措置と解体を計画しており、完了までに数十年を要する。TRPには現在およそ360立米の高レベル廃液(HLLW)が貯蔵されており、HLLWがTRPに貯蔵されている限り、その蒸発や水素爆発というリスクが有るため、HLLWは強制冷却と水素掃気を行い続けて安全に管理する必要がある。それゆえ、この貯蔵リスクを低減するために東海ガラス固化施設(TVF)で2028年までにガラス固化することとした。TVFは1992年に建設され、これまでに306体のガラス固化体を製造してきた。液体供給式ジュール加熱セラミック溶融炉(LFCM)を採用していることが特徴である。溶融炉やHLLW貯槽といった主要工程設備はセル内に設置し、完全遠隔保守システムを採用している。溶融炉の運転中、HLLWに含まれる白金族元素が炉底部に堆積するため、定期的に溶融炉を空にして堆積した白金族元素濃度の高いガラスを機械的装置で除去しなければならない。ガラス固化を成功させるためには、高経年化を考慮した組織的な保守計画による設備維持や、ガラス固化体保管容量の拡大、そして設計寿命を考慮した溶融炉の更新が必要である。本会議においては、東海サイトにおけるガラス固化処理計画について紹介する。
石尾 貴宏*; 兼平 憲男*; 星野 剛*; 福井 寿樹*; 巌渕 弘樹; 塚田 毅志*
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我が国では、核燃料サイクルから生ずる高放射性廃液(HLLW)をガラス固化するためのガラス固化技術が実用化されてきた。また、我が国の再処理施設や原子力発電所から発生する多種類の低レベル放射性廃液(LLW)は主として焼却、減容、セメント固化といった方法で処理されているが、これまでガラス固化は導入されてこなかった。他方、再処理施設や原子力発電所の廃止措置を行う場合に、比較的放射能レベルの高いLLWが発生する可能性がある。そのため、LLWを処分することを目的として小さい容量で安定な固化形態とするための様々な減容・固化技術が開発されてきた。LLWのガラス固化技術の基盤が開発されれば、HLLWのガラス固化技術の発展にも反映することが可能である。このため経済産業省は、2014年度から、「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」を立ち上げ、IHI, 日本原燃, 原子力機構, 電力中央研究所が本プロジェクトを開始している。本プロジェクトの開発目標は以下のとおり。(1)LLWに対する廃棄物を高減容化・安定化するためのガラス固化技術の基盤を強化するために開発すること、(2)LLWの基盤から得られた知見を反映し、HLLWのガラス固化をさらに改善するための研究も行うこと。今回の発表では、本プロジェクトにおけるこれまでの成果と今後の計画について報告する。